静穏総長も、時には激しく愛したい
「もう……オンオフ激しいんだからっ」
タンッ
「あ! おっそーい! どこ行ってたの、心配したじゃん~!」
「ご、ごめんねぇ。ふくちゃん」
「ってか、クレープ。何だかんだ言いながら、ちゃっかり全部食べてんじゃん。それに制服のリボンは?」
「え、え。あ、あれ~? どこに行ったんだろう?」
あはは――と、作り笑いを浮かべている私を見て、ふくちゃんはため息をつく。
だけど「ちゃんと食べれたなら良かったじゃん」と、私が持っていたゴミを取り、一緒に捨ててくれた。
「ふくちゃん、ありがとう……」
「いーえ。そういや、電話ってなんだったの?」
「え……、あぁ!」
奏さんの事があって、スッカリ忘れていた「お父さん」からの電話。
「すぐ帰ってきなさい」なんて言葉は、奏さんにより、スッカリ上書きされていて……