静穏総長も、時には激しく愛したい

「私は……イヤ、です」

「お前に決定権はない。そこにある見合い写真を持って行け。この中でなら、お前に選択権を与えてやる」

「……っ」



机の上に積まれた、二十枚ほどのお見合い写真。

その中の男性たちは、みんな立派な肩書がある。だけど……私への愛はない。

恋愛のない、愛のない結婚。

それを、高校卒業と同時にしないといけないなんて――



「分かったら出て行け。気が散るからな。
ん? お前、制服のリボンはどうした」

「あ……」

「まさか、さっきまで会っていたのは“男”なんて言わないよな?」

「……っ」



話しが終わった時に、やっと娘の顔を見たお父さんに。

どうして、そんな事まで口出しされないといけないの……!?
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