静穏総長も、時には激しく愛したい


「はぁ……憂鬱すぎる」



ちゃぷん、と。
音を立てながら、お風呂に浸かる。


さっきの写真……。
お見合い相手の男の人が若かろうが、年寄りだろうが。そんな事は関係ない。

だって、



「奏さんじゃ、ないんだもん……」



ねぇ、奏さん。

私、白状します。

あなたに隠してること、たくさんある。


あなたに恋をしてると言ったこと、あれはウソだったの。



――この嬢ちゃんを連れて帰ったら、俺らいくらもらえるんだ?

――あんた”よく狙われる”みたいだし



私の顔は、いわゆる裏の社会に晒される事があって……危ない目に遭う事がしばしばある。

だから、ずっと用心棒がほしいと思ってた。

だから奏さんが不良を一瞬で倒した時、この人だって思ったの。
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