静穏総長も、時には激しく愛したい


だけど、期限があるんだ。


明後日までに決めておかないと、きっと、お父さんに勝手に決められる。



「そこまで、自由を奪われたくないよね……」



二十枚ほど写真があるって言ってた。なら二十人の中から、せめて私が「この人」と思える人を選ぼう。

そうすれば、結婚後に不満が出た時も……私が選んだ人だからって。それで納得できる。


絶対に「お父さんのせいで」とは思いたくない。


私は「お父さん」という言葉を発するのも、考えるのも……もうイヤだから。



「帰ったら澄に頼んで、一緒に写真を見よう……」



一人じゃ見られる気がしないし――と思っていた、その時だった。



「”すみ”って誰?」

「!」



今まで下げていた顔を上げる。

すると、そこには――
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