静穏総長も、時には激しく愛したい
きっと、澄は気づいてる。
私が「お見合いを嫌がる理由」が、恋にあるのではないかという事を。
リボンの行く先が、私の好きな人と繋がっている事を――
「勘のいい澄はキラい……」
「どこぞの名台詞のような事をおっしゃられますね」
「ふん…………って、なんか眩しいんだけど」
「確かに」と頷いた澄は、私の前に立ち、眩しい方へと目をやった。
私は澄の背中から目だけを覗かせて……そして眩しい正体を発見する。
すると――
「いや~、ハロウィンパーティー楽しかったなぁ」
「入院中の身でありながら病院を抜け出したくせに、よく言う。
これから病院に戻るんだろ?
戻るんだよな?
そうだろ?」
「顔が怖いって、伊織~」
すごく白い服を着た背の高い人と、同じくらい背の高いカッコいい人が。
二人歩きながら、こちらに近づいていた。