静穏総長も、時には激しく愛したい

「お嬢、サングラスいりますか?」

「いや、そこまでじゃないから……」



でも、この感じ……。
確か、昨日も――



「あれ?」

「!」



男性二人とすれ違おうとした、その時。

白い服の人が、私を指さして驚いた顔をした。


え……私!? なんで私!?



「やっほー」

「こ……、こんにちは……?」



いきなり挨拶されちゃった!

だけど、何で?

なんで見ず知らずの私に挨拶するの!?



「……行きましょう」

「澄……う、うん」



混乱する私の手をとり、澄は歩き出す。

そして男性二人から私を守るように、常に自分が真ん中になる位置で移動した。


だけど――



「ねぇ、コレ!」

「え」



パシッ


いきなり、何かが飛んできた。

もちろん私は掴むことが出来なくて、反射神経のいい澄が、なんなくキャッチする。


そして澄が、私に見えるよう手のひらを開けた時。

目に写ったのは、
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