静穏総長も、時には激しく愛したい
「ハートの飴……?」
「うん。あげる、君に」
「私に……?」
すると白い服の人、の隣にいた人が「コラ」と。白い服の人を、軽く叩く。
「いきなりナンパするんじゃないよ、全く」
「ふふ、ナンパじゃないよ。その子が、なんだか悲しそうな顔してたからね」
「!」
いきなり核心を突かれて、ビックリした……。
だけど、そっか。
私のことを心配して、この飴をくれたんだ。
「ありがとうございます。いただきます」
「うん。あ、まだいる? いっぱい貰ったんだ」
手を振って遠慮すると、さっき叩いた人が「いいのか?」と。
私ではなく、白い服の人に聞いた。
「それ、”真白”宛ての飴だろ?」
「その真白がいいって言ってんだから、いーの!」
「はぁ……あ、いきなりごめんな。変な奴だけど、許してやって」
「あ、いえ……大丈夫です。むしろ、ありがとうございます」