静穏総長も、時には激しく愛したい

「ハートの飴……?」

「うん。あげる、君に」

「私に……?」



すると白い服の人、の隣にいた人が「コラ」と。白い服の人を、軽く叩く。



「いきなりナンパするんじゃないよ、全く」

「ふふ、ナンパじゃないよ。その子が、なんだか悲しそうな顔してたからね」

「!」



いきなり核心を突かれて、ビックリした……。

だけど、そっか。

私のことを心配して、この飴をくれたんだ。



「ありがとうございます。いただきます」

「うん。あ、まだいる? いっぱい貰ったんだ」



手を振って遠慮すると、さっき叩いた人が「いいのか?」と。

私ではなく、白い服の人に聞いた。



「それ、”真白”宛ての飴だろ?」

「その真白がいいって言ってんだから、いーの!」

「はぁ……あ、いきなりごめんな。変な奴だけど、許してやって」


「あ、いえ……大丈夫です。むしろ、ありがとうございます」

< 86 / 315 >

この作品をシェア

pagetop