静穏総長も、時には激しく愛したい
澄から飴を受け取り「ふふ」と笑う。
すると……なんと澄が、私の手から再び飴を奪った。
シュバッ
「お心遣いありがとうございます。ですが、見知らぬ人から頂いた物を食べさせるわけにはいかないので。お気持ちだけ、ありがたく頂きます」
「えぇ~!?」
「もう、澄!」
「返して!」と。ぴょんぴょんジャンプする私を、澄はツーンとした態度でスルー。
「澄、帰ったらタダじゃおかないからね!」
「わー。コワーイ」
「こら澄!」
ってか、こんな家の中みたいな光景を、いつまでもお見せするわけにいかない!
さっさと退散するに限る!
「ありがとうございました!
それでは!」
もう会うことはないだろうな――そう思って挨拶をする。
だけど、
「うん。”また”ね」
白い服の人は、意味深に、そう言った。