メガネむすめ
九月二十七日

 早瀬君と暮らせる最後の平日。
 もうすぐ別れるという実感が全く沸かない。ただ、ただ、早瀬君と一緒にいた。離れても、凄く遠くに離れ離れになってもお互いの笑顔を忘れないように、今日はひたすらにらめっこをしていたような気がする。
 こんな日々が続けば良いのに。そんな思いももうすぐ打ち砕かれてしまう。
 もうすぐ、もうすぐ早瀬君は出発するというのに全く実感が沸かない。もうすぐ早瀬君がいなくなるなんて、想像が出来ない。
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