メガネむすめ
八月十日

 お父さんから連絡があった。どうやらお母さんの里に行くらしいけど、私は留守番をすることになった。
 里美と里美の両親。早瀬君にそのことを伝えて里美の家を午後には去った。
 今日は里美と里美のお母さん、それに早瀬君と一緒に食事をすることになった。
 早瀬君はゆっくりとチョコレート並みに甘い味噌汁を啜っていた。気のせいか食事中時々白目になっていた。
 白目になっていたのは恐らく感動に打ちのめされたのだろう。その証拠に食べ終えた時何かを成し遂げたオーラを出していた。少し惜しかったが、異様に堅い和え物を分けてあげた。早瀬君は涙を流しながら食べていた。今更だが早瀬君の感性と私の感想は似ているのかもしれない。
 食事を終えて、私は早瀬君と一緒に駅まで歩いた。その間、早瀬君の顔色が悪かったので話はしなかった。けど、近くにいてくれるということだけで嬉しかった。
 明日から短い間だが一人暮らしだ。頑張ろう。
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