メガネむすめ
九月四日

 休みなのに学校に来てしまった。少し恥ずかしかったが、このまま帰るのはもっと恥ずかしいので図書館で勉強をすることにした。すぐに帰るつもりだったが、勉強に集中してしまったらしく司法試験用の問題集を半分くらい解き終えた時にはお昼になっていた。お腹が減ったので帰ろうとしたら、校門で早瀬君を見かけた。
 早瀬君も間違えて学校に来たと思ったら、部活動だったらしい。学園祭の準備で色々と忙しいそうだ。私は帰宅部に所属しているので早瀬君の忙しさはよく分からないが、とりあえず頭を撫でてみた。今回は早瀬君が立っているので少し背伸びをしながらになってしまったが、早瀬君から感謝の言葉が来たので今後も何度かしてみようと思う。
 そして帰り際、明日街で会うことを約束した。とても嬉しいのだが、問題は、着る服が無い。お母さんが衣替えと称して学生服以外全てクリーニングに出してしまったそうだ。お母さんの服を借りようかと思ったが、お母さんの服は殆どヘソが隠れていないことを思い出した。明日の朝までに考えることにしよう。学生服か、ヘソか、これは大きな問題だ。
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