(仮)結婚
独身が一番楽しい
…ジリジリジリジリ
いつものように目覚ましをとめて、身体を起こす。
歯磨きをして、お弁当作って、朝食食べて、メイクして、仕事に行く支度をする。
誰もいない部屋の電気を消して玄関に行く。誰もいないのに「行ってきます」とだけ言ってドアを閉める。
これが、私の日常だった。
一ヶ月前は。
_____________________________________________________________________
「おはよう、母さん。」
『おはよう綾乃。今日も朝早いねえ。』
私は駅のホームで電車を待ちながら、スマートフォンに耳をあてる。
『朝ごはんはちゃんと食べた?今日は何時に仕事終わるの?』
「心配しすぎ。何度も連絡しなくていいって。」
口を開くたび、白い息が出る。
『お父さんも心配してるのよ。いつでも家に帰ってきていいからね。』
「はいはい。考えとくよ。」
両親の心配性には呆れた。4日に一度朝から電話がかかってきて、どうでもいい話をしてくる。
私、藤原綾乃はもうすぐ31歳の独身女性。これくらいの時期に結婚したいと思っている人も多いはず。
私の場合、そうじゃない。
なぜって?
生まれてからこの私……
一度も恋愛を経験したことがないからである!
そもそも恋愛なんてしたくない、めんどくさい。
恋愛も、結婚も考えたことのない私に両親が心配しないはずがない!
電話がかかってくるときも、必ず最後には結婚の話になる。
『綾乃、結婚とかまだ考えてないの?』
ほらきた。
私は大きなため息をついた。
「考えてないって言ってるでしょ?」
娘が結婚に一切興味がなくて心配する気持ちはわかる。
でも結婚なんて後悔するだけでしょ?私はそれが嫌!!
・
・
・
『じゃ、お仕事頑張ってね。』
しばらく母との会話が続いたあと、電話を切った。
恋愛なんて形だけ。
私はいつもそう思っていた。
いつものように目覚ましをとめて、身体を起こす。
歯磨きをして、お弁当作って、朝食食べて、メイクして、仕事に行く支度をする。
誰もいない部屋の電気を消して玄関に行く。誰もいないのに「行ってきます」とだけ言ってドアを閉める。
これが、私の日常だった。
一ヶ月前は。
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「おはよう、母さん。」
『おはよう綾乃。今日も朝早いねえ。』
私は駅のホームで電車を待ちながら、スマートフォンに耳をあてる。
『朝ごはんはちゃんと食べた?今日は何時に仕事終わるの?』
「心配しすぎ。何度も連絡しなくていいって。」
口を開くたび、白い息が出る。
『お父さんも心配してるのよ。いつでも家に帰ってきていいからね。』
「はいはい。考えとくよ。」
両親の心配性には呆れた。4日に一度朝から電話がかかってきて、どうでもいい話をしてくる。
私、藤原綾乃はもうすぐ31歳の独身女性。これくらいの時期に結婚したいと思っている人も多いはず。
私の場合、そうじゃない。
なぜって?
生まれてからこの私……
一度も恋愛を経験したことがないからである!
そもそも恋愛なんてしたくない、めんどくさい。
恋愛も、結婚も考えたことのない私に両親が心配しないはずがない!
電話がかかってくるときも、必ず最後には結婚の話になる。
『綾乃、結婚とかまだ考えてないの?』
ほらきた。
私は大きなため息をついた。
「考えてないって言ってるでしょ?」
娘が結婚に一切興味がなくて心配する気持ちはわかる。
でも結婚なんて後悔するだけでしょ?私はそれが嫌!!
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『じゃ、お仕事頑張ってね。』
しばらく母との会話が続いたあと、電話を切った。
恋愛なんて形だけ。
私はいつもそう思っていた。
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