冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす
裸のままの彼が腕枕をしてくれる。額に落とされるキスが甘酸っぱくて、ちょっと気恥ずかしい。
「なに笑ってるんだ?」
「自分の人生にこんな瞬間が訪れるとは思ってもいなかったのでびっくりしています。腕枕とか、本当にしてもらえるものなんですね」
恋愛ドラマのなかだけのファンタジーかと思っていた。正直にそう答えると、彼は「ははっ」と楽しそうな笑い声をあげる。
「蛍の〝初めて〟をもらえるのは、なんであれ嬉しいな」
「……そういう台詞も。フィクションの世界かと」
照れくさくて顔が熱くなる。ふと、彼の肩口に目を向けて蛍は言った。
「左京さんて、すごく筋肉質ですよね」
肩も腕も洋服を着ているときの印象よりがっしりと逞しい。言われた左京は、自身の腕に視線を落とす。
「あぁ、ずっと剣道をしていたから。肩回りはとくに筋肉がついたかも」
「へぇ、剣道! 似合いますね」
彼は彫りの深い顔立ちではあるけれど、キラキラした王子さまというタイプではない。一匹狼っぽい雰囲気は侍を思わせるし、袴はきっと似合うだろう。
「なに笑ってるんだ?」
「自分の人生にこんな瞬間が訪れるとは思ってもいなかったのでびっくりしています。腕枕とか、本当にしてもらえるものなんですね」
恋愛ドラマのなかだけのファンタジーかと思っていた。正直にそう答えると、彼は「ははっ」と楽しそうな笑い声をあげる。
「蛍の〝初めて〟をもらえるのは、なんであれ嬉しいな」
「……そういう台詞も。フィクションの世界かと」
照れくさくて顔が熱くなる。ふと、彼の肩口に目を向けて蛍は言った。
「左京さんて、すごく筋肉質ですよね」
肩も腕も洋服を着ているときの印象よりがっしりと逞しい。言われた左京は、自身の腕に視線を落とす。
「あぁ、ずっと剣道をしていたから。肩回りはとくに筋肉がついたかも」
「へぇ、剣道! 似合いますね」
彼は彫りの深い顔立ちではあるけれど、キラキラした王子さまというタイプではない。一匹狼っぽい雰囲気は侍を思わせるし、袴はきっと似合うだろう。