冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす
「そういえば警察の人は柔道や剣道をやるって聞いたことがあります」
「まぁな。どこに配属されたとしても動けるにこしたことはないから」

 いつもと同じように他愛のない話をしているだけだけど、以前よりずっと彼を近くに感じる。

「そうだ」

 思い出したように彼が声をあげる。

「来週末はちょっと空けておいてくれないか?」
「なにかあるんですか」

 左京は憂鬱そうな顔でため息をついた。

「菅井一族の集まりがあって、蛍にも顔を出してほしいんだ。正直、楽しいイベントにはならないと思うが」

 蛍は首を横に振る。
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