冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす
(あぁ、彼は信じてはいけない人だったんだ)
「スマホも没収させてもらう」
彼は蛍のバッグを取りあげ、助手席のほうに投げた。
車は猛スピードで走り抜ける。行き先は蛍には見当もつかない。
(どうして如月さんが? なにをする気なの?)
それを聞きたくて言葉にしょうと必死になったけれど、蛍の口からは「うー、うー」といううめき声が漏れるばかりだ。
晋也がふっとかすかに笑う。
「行き先を知りたいですか?」
計画どおり蛍を車に乗せたからだろうか。彼は落ち着きを取り戻し、いつもの穏やかな口調に戻っている。
「ちゃんといい子にしていてくれるなら教えてあげます」
もちろん蛍には「うー」以外の返事はできないのだが彼は話し出した。
「空港近くの倉庫街です。あの辺りは人気がなく人間を監禁するのにはちょうどいいと、赤霧会の犬伏が言っていました」
(赤霧会?)
蛍は目を見開く。晋也は赤霧会の仲間で、自分はまんまと人質にされようとしている。そういうことだろうか。
「スマホも没収させてもらう」
彼は蛍のバッグを取りあげ、助手席のほうに投げた。
車は猛スピードで走り抜ける。行き先は蛍には見当もつかない。
(どうして如月さんが? なにをする気なの?)
それを聞きたくて言葉にしょうと必死になったけれど、蛍の口からは「うー、うー」といううめき声が漏れるばかりだ。
晋也がふっとかすかに笑う。
「行き先を知りたいですか?」
計画どおり蛍を車に乗せたからだろうか。彼は落ち着きを取り戻し、いつもの穏やかな口調に戻っている。
「ちゃんといい子にしていてくれるなら教えてあげます」
もちろん蛍には「うー」以外の返事はできないのだが彼は話し出した。
「空港近くの倉庫街です。あの辺りは人気がなく人間を監禁するのにはちょうどいいと、赤霧会の犬伏が言っていました」
(赤霧会?)
蛍は目を見開く。晋也は赤霧会の仲間で、自分はまんまと人質にされようとしている。そういうことだろうか。