冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす

　左京はそれについても一から解説してくれた。

　彼は今日の夕方、ちょうど蛍が会社を出る頃には晋也と赤霧会の繋がりをつかんだそうだ。

「それですぐ蛍に電話をかけたんだが繋がらなかった。もしや如月につかまって電話に出られない状況なのでは？と推測した」
「まさにその状況でした。車に乗せられたあとすぐにスマホを没収されてしまって」
「同じ頃、赤霧会の担当捜査員もやつらの不穏な動きをつかんで追跡していたんだ。あの現場で犬伏の次に偉そうにしていた河田(かわだ)という男だ」

　犬伏が到着するまで場を仕切っていた体格のいい男のことだろう。

「あの倉庫街で赤霧会が自由に使えそうな場所はひとつしかなかったから、やつらはそこに向かうのだろうと確信できた。捜査員は河田たちを追いこして先にあの場に到着したんだ」
「……すごい」

　なんだかんだいっても日本の警察は優秀なのだなと感心してしまった。