冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす
蛍が拉致された可能性があると警察が海堂家に連絡を入れたとき、真っ先に動いたのは芙由美で『救出費用と身代金が必要だろう』とものすごい大金をポンと用意してくれたそうだ。
(いつか左京さんの言ってた『この国に必要な人間』は海堂治郎じゃなくて芙由美さんのほうかも)
治郎はきっと死ぬまで彼女の尻に敷かれるのだろうなと容易に想像できてしまって、蛍は思わずクスリとする。
海堂家を出るとすぐに左京に電話をかける。彼はもう仕事を終えていて、すぐに車で迎えに来てくれた。
「どうだった?」
運転席をおりた彼が心配そうに駆け寄ってくる。
「えっと感動的な仲直りとか、そういうのはなかったんですけど。でも今日は来てよかったです」
ずっと心に重く沈んでいたものがスッと消えていったような気がした。
蛍は左京を見てほほ笑む。
「私には左京さんっていうとびきり素敵な家族がいるから。だからもう大丈夫です」
「そうか。それならよかった」
穏やかな笑みを浮かべて、左京はそっと蛍の手を握った。
(いつか左京さんの言ってた『この国に必要な人間』は海堂治郎じゃなくて芙由美さんのほうかも)
治郎はきっと死ぬまで彼女の尻に敷かれるのだろうなと容易に想像できてしまって、蛍は思わずクスリとする。
海堂家を出るとすぐに左京に電話をかける。彼はもう仕事を終えていて、すぐに車で迎えに来てくれた。
「どうだった?」
運転席をおりた彼が心配そうに駆け寄ってくる。
「えっと感動的な仲直りとか、そういうのはなかったんですけど。でも今日は来てよかったです」
ずっと心に重く沈んでいたものがスッと消えていったような気がした。
蛍は左京を見てほほ笑む。
「私には左京さんっていうとびきり素敵な家族がいるから。だからもう大丈夫です」
「そうか。それならよかった」
穏やかな笑みを浮かべて、左京はそっと蛍の手を握った。