冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす
蛍は初対面の人と世間話で盛りあがれるほど社交的な性格ではない。なので黙って聞いておくことにする。話が一段落したところで、彼は人さし指で眼鏡のブリッジ部分を持ちあげ蛍をじっと見た。
「で、どこの子だい?」
否定しないでいたものだから、すっかり芸妓と思い込まれてしまったようだ。
「いえ。私はただの観光客で、東京の会社員です」
苦笑交じりに応える。
「こりゃ驚いたな~。さぞかし売れっ子なんだと思ったから。東京ではこんな美人が普通にOLをしとるのかー」
(悪気がないのはわかっているけど)
しげしげと見つめられると落ち着かない。
蛍の身長は百六十センチ。すごく高いというわけではないのだけれど、姿勢のよさとすらりと伸びやかな手足のせいか実際より高く見えると言われることが多い。緩いウェーブのかかった黒髪は腰まで届くほどに長く、今日はハーフアップにしてお気に入りのバレッタで留めてある。
抜けるように白い肌、白目と黒目のコントラストがくっきりとした目元、赤みの強い唇。蛍はどちらかといえば物静かなほうだし、派手なメイクやファッションは好まない。が、それでもパッ人目を惹く華があった。
「で、どこの子だい?」
否定しないでいたものだから、すっかり芸妓と思い込まれてしまったようだ。
「いえ。私はただの観光客で、東京の会社員です」
苦笑交じりに応える。
「こりゃ驚いたな~。さぞかし売れっ子なんだと思ったから。東京ではこんな美人が普通にOLをしとるのかー」
(悪気がないのはわかっているけど)
しげしげと見つめられると落ち着かない。
蛍の身長は百六十センチ。すごく高いというわけではないのだけれど、姿勢のよさとすらりと伸びやかな手足のせいか実際より高く見えると言われることが多い。緩いウェーブのかかった黒髪は腰まで届くほどに長く、今日はハーフアップにしてお気に入りのバレッタで留めてある。
抜けるように白い肌、白目と黒目のコントラストがくっきりとした目元、赤みの強い唇。蛍はどちらかといえば物静かなほうだし、派手なメイクやファッションは好まない。が、それでもパッ人目を惹く華があった。