冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす
(ではボランティアみたいなものってこと?)
蛍の頭にますます疑問符が増える。菅井左京という男はそんなお人好しには見えない。むしろ冷徹で合理的な……真逆の人間だと感じる。
「あなたは、なんの目的でこの話を引き受けたんですか?」
彼はククッと肩を揺らす。
「たった今伝えたつもりだったがな。海堂治郎は国家に必要な男だ。その彼に大きな恩を売れる、君のボディガードとして俺の名があがったことは幸運だった」
「……出世のため?」
「もちろん」
彼はにこやかに笑む。
「同居だけならまだしも結婚、戸籍に残るってことですよね?」
「事実婚じゃ君を守る盾としては弱い。当然籍は入れるつもりだ。あのキスを赤霧会の人間に見せつけたのも、偽装結婚を見破られないようにするためでもあった」
そこで彼は言葉を止め、からかうような目で蛍を見た。
「年頃の女性に偽りの結婚を強制するのは酷かなとも思ったが……幸い君は俺と同じみたいだから」
「同じ?」
「そう。恋愛にも結婚にも興味がない」
「たしかにそうですけど……」
意識して彼から目をそらした。この瞳につかまると、あっという間に陥落させられてしまう気がしたから。
蛍の頭にますます疑問符が増える。菅井左京という男はそんなお人好しには見えない。むしろ冷徹で合理的な……真逆の人間だと感じる。
「あなたは、なんの目的でこの話を引き受けたんですか?」
彼はククッと肩を揺らす。
「たった今伝えたつもりだったがな。海堂治郎は国家に必要な男だ。その彼に大きな恩を売れる、君のボディガードとして俺の名があがったことは幸運だった」
「……出世のため?」
「もちろん」
彼はにこやかに笑む。
「同居だけならまだしも結婚、戸籍に残るってことですよね?」
「事実婚じゃ君を守る盾としては弱い。当然籍は入れるつもりだ。あのキスを赤霧会の人間に見せつけたのも、偽装結婚を見破られないようにするためでもあった」
そこで彼は言葉を止め、からかうような目で蛍を見た。
「年頃の女性に偽りの結婚を強制するのは酷かなとも思ったが……幸い君は俺と同じみたいだから」
「同じ?」
「そう。恋愛にも結婚にも興味がない」
「たしかにそうですけど……」
意識して彼から目をそらした。この瞳につかまると、あっという間に陥落させられてしまう気がしたから。