狐火の家のメイドさん 〜主人に溺愛されてる火傷だらけの侍女は、色々あって身一つで追い出されちゃいました。

9 お守りを貰いました


 さぎりはその日、子狐と共に買い出しに出かけていた。

 御影は、さぎりと子狐が二人だけで家の外に出ることを、あまり喜んでいない様子だった。
 喜んでいないというよりは、心配していると言った方が正しいかもしれない。

「この辺りにもまだ慣れていないでしょう? しばらくは家の中でゆっくりしていても好いのよ」

 あまりに心配症なので、さぎりは思わず頬を綻ばせる。
 さぎりの元主人も、そういう人だった。


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