花言葉〜青い春〜


昼休みに菫は職員室の理科主任にノートを届けた。


「ありがとう。さすが神谷だな。担任より頼りになる。」


と理科主任にかなり褒められた。


……伊勢谷先生に届けたよって伝えた方がいいかな……


菫は職員室の自分の席で優雅にコーヒーを飲む伊勢谷をチラリと見た。


うん、報告は大事だよね。


「伊勢谷先生!」

「おー、委員長。お昼ご飯は食べた?」

「うん。先生は?」

「今、食べてるとこ。」


乱雑にプリントやら教科書やらが積み上げられた机の一番上に、食べかけのサンドウィッチとホットドッグが置いてあった。


「あのね、ノート集めて出しといたよ。」

「おー!さすが委員長。ありがとう。仕事が早い。あいつら、俺が言ってもなかなか出さないからなぁ。」


そんなこと言いながら、いい加減だけど、クラスの子達を信用してるくせに。


菫は伊勢谷が見た目だけじゃないことは感じていた。


いつもその人の言って欲しい言葉とか、思っていることとかを悟ってくれる人だ。


だから、女子生徒だけじゃなくて、男子生徒にもちゃんと慕われている。
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