花言葉〜青い春〜
「なんか委員長には世話になりっぱなしだなー。お礼しなきゃな。」
伊勢谷は山積みの机をガサガサと漁り、教科書と教科書の隙間から一枚の板チョコを取り出した。
「あげる。俺からの感謝の気持ち。」
薄い茶色の紙に包まれたミルクチョコレート。
「……賞味期限大丈夫ですか?」
「あはは……相変わらず鋭いツッコミ。大丈夫だよ。委員長のために今朝買ってきたから。」
「えっ?」
「クラスのやつらにも、よく勉強を教えてやってるだろ。委員長、色んなことに頑張りすぎなとこあるから、疲れてるんじゃないかと思って。疲れたときには甘いものが一番だろ?」
……みんなでノートを見せ合ったりしてるの知っていたんだ。
「だったら、もう少ししっかりしてください。伊勢谷先生。」
「えー?まぁそうだなぁ……」
「嘘ですよ。チョコレート、ありがとうございます。すごく嬉しい。」
先生が見てくれていたことが菫にとっては、もっと嬉しいことだけどそれは内緒にしておいた。