花言葉〜青い春〜
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「桜ちゃん、私たち水泳部のミーティングがあるから、先に行くね。」
「あ、私も今日はテニス部のミーティングあるんだよね!」
昼休みのど真ん中。
桜はいつも通り友達四人で、校舎裏の中庭のベンチでお昼ご飯を食べていた。
朝から自分でこしらえたお弁当。今日はシャケの塩焼きに昨日の晩ご飯の残りの筑前煮と和風弁当だ。
友達には、自分で作っていると話したことはない。料理ができると自慢していると思われたりするのを気にしてだ。
「桜ちゃん、ひとりになっちゃうけどごめんね。」
「大丈夫だよ。いってらっしゃい。」
満面の笑みで桜は手を振る。
水泳部のミーティングにテニス部のミーティング。桜は調理部なので、それらのミーティングに参加することはない。
春から仲良くなった子たちは、水泳部二人にテニス部一人で、桜と同じ調理部の子はいない。
高校に入ったら、洋服や日用品などの購入を親に頼らないためにもバイトをすると決めていたので、なるべく活動の少ない調理部に入部した。
それに運動は苦手だったので、運動部には向いていないのも分かっていた。
運動部は昼休みのミーティングや自主練が多い。ここは活動熱心な部活が多いせいもあるのだろうが、その度に桜は一人の昼ご飯となった。
食べるのも遅いので、運動部の早食いについていくこともできなかった。
「あーあ……」
誰もいなくなって、思わず本音が溢れる。
一人のご飯は美味しくない。