花言葉〜青い春〜
「安藤、お前委員長の右腕になってやれよ。」
突然の伊勢谷の指名に真尋が
「えー?」
となんで俺と言いたげな声を出す。
「お前がそんな髪でいられるのは、俺のお陰だと思うけど?」
「……っ」
日頃から、伊勢谷は生徒指導の先生に裏で、「安藤は中学の時から染めすぎて、黒染めしてもすぐに色が抜けて染まらない。」とフォローしていた。
それは多分、事実ではないのだが、伊勢谷が言うので他の先生も一応は信じていた。
「伊勢谷ちゃん、まじでそういうところズルイよな。」
不貞腐れる真尋に伊勢谷は急に真面目な顔になる。
「例え貸しがあっても、できないやつには頼まないよ。」
「……分かりましたよ。伊勢谷ちゃんのお願いなら受けますよ。そういうわけで、迷惑をかけるかもしれないけど、よろしくね委員長さん。」
「あ、私こそ頼りないところもあると思うけど、よろしくお願いします。」
菫がちらりと伊勢谷を見ると、菫に微笑する伊勢谷と目が合った。