花言葉〜青い春〜

リーディングの英訳を成海が理解した頃にハンバーグは運ばれてきた。


あの店の外まで匂っていたデミグラスソースのかかったハンバーグ。


フライドポテトとトマトとブロッコリーなどの野菜が添えられている。それからコンソメスープとご飯。


「いただきます。」


成海が丁寧に手を合わせて挨拶をする。食べ物に感謝するように。


その姿にもほんのちょっとだけ菫は成海を見直していた。変なやつだけど、悪いやつではないのかもしれないと。


菫も成海と同じように手を合わせ、ハンバーグにナイフを刺した。


すぐさま程よい具合に溶けたチーズがお皿に流れ落ちた。


チーズが流れからないうちに、急いで口に運び、


「美味しい!」


とすぐさま声が漏れた。


「でしょ?もう店長はチーズインハンバーグを作らせたら天才だからね!」


菫の反応に、自分が褒められたわけでもないのに、満足気に成海は頷いている。
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