花言葉〜青い春〜
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「桜ちゃん、土曜日デートなんだっけ?」
「いいなー!年上の彼氏!」
「私も彼氏欲しいー!」
昼休みの会話はだいたい恋バナか部活のことかテレビや動画番組のことが中心だった。
今日は教室で、桜は友達とお昼ご飯だった。近くの机を四つ引っ付けて、各自お弁当を持ち寄って食べる。
「付き合って何ヶ月だっけ?」
そう言うのは、テニス部に所属している早川萌(ハヤカワ モエ)だ。
背中までの髪をいつもアレンジして、クラスでもよく「どうやってやっているの?」と、質問されている。
「1カ月ぐらいかな?」
「本当、桜ちゃんが羨ましい!リア充って感じだもんね。」
「私たちだってこれからだって。文化祭で付き合う人、多いらしいよ。」
桜の前の席に座り、二人で盛り上がるのは水泳部所属の山野麗奈(ヤマノレイナ)と澤口真緒(サワグチマオ)だ。
二人とも耳が見えるか見えないかぐらいのショートカットで、双子ヘアとよく言っていた。
この三人と、桜は4月から親しくしており、休日などにも遊ぶことは多かった。
でも……
「ねえ、そろそろトイレ行かないとだよ!」
麗奈がお弁当箱を、最近人気のウサギのキャラクターが描かれたお弁当袋にしまい始める。
5時間目の始業まであと15分だ。
「マジじゃん。5時間目、化学だよね?あの先生時間厳守でうるさいもんね。」
萌もこれは大変と言いたげに、机に広げていた食後のデザートのポッキーをしまい始める。
「桜ちゃん、先にトイレ行ってていい?」
若干遠慮がちに、真緒に聞かれて、桜は笑みを見せて手を振った。
相変わらず食べるのが遅い。頑張って食べているのだけど、どうも追いつかない。もう少しなんだけどな。
「私はあとで行くし大丈夫だよ。」
自分から待ってと言うのは言い出しにくい。