完全包囲 御曹司の秘めた恋心
起死回生に向けて
パーティーの翌々日、いつも通り桃香が家にやって来た。桜子の帰りを待っているのか、お袋とリビングでコーヒーを飲んでいる。俺は桃香の元へ向かい、頭を下げた。
「桃香先生、ごめんなさい。環奈ちゃんを傷つけた」
「そうだね。環奈は心を閉ざしてしまった。あの日のことはトラウマになってる」
「うん……」
「どうして笑ったりしたの?」
「俺と同い年なのに、年上の令嬢が何も言い返せないくらい堂々と正論をぶつけていたから、最高だなって思って笑ってしまった。そしたらちょうど目が合ったんだ。それで誤解されたんだと思う」
「そんなことだろうと思った」
「え……」
「環奈のこと、好きなんでしょ?」
「うん。俺、出来ることなら環奈ちゃんと将来結婚したい」
「颯介君も環奈もまだ中学一年生。これからまだまだたくさんの人と出会う。いつか運命の人が現れるかもしれないよ?」
「もう現れた。俺の運命の人は環奈ちゃんだから」
「そこまで言い切れるのはどうして?」
「直感」
「直感?」
「うん。初めて環奈ちゃんと面と向かった時、将来が見えた」
「環奈はね、大切な妹で、私の光なの。あの子には絶対幸せになって欲しい。だから私は、環奈を傷つける者には容赦はしない。だけど、環奈のことを大切に想ってくれている人が困っている時には、力を貸してあげたいと思ってる」
「え?」
桃香はにこやかに笑う。
「私が力になってあげる。そうしたら、環奈は幸せになれるんでしょう?」
俺は深く頷いた。
「桃香先生に誓う。環奈ちゃんを必ず幸せにする」
「わかった。わたしは何をすればいいかしら?」
「環奈ちゃんの状況を教えて欲しい。今もこれから先も」
「まるで密偵ね」
「ダメ?」
桃香はかぶりを振る。
「おばさま、よろしいでしょうか?」
「もちろんよ。私も環奈ちゃんには幸せになってもらいたいもの。その役目を颯介が担うなんて最高じゃない! 二言はないわよね?颯介」
「あたりまえだろ」
二人は穏やかに笑っていた。
そうやって俺は、最強の協力者を得たのだった。
「桃香先生、ごめんなさい。環奈ちゃんを傷つけた」
「そうだね。環奈は心を閉ざしてしまった。あの日のことはトラウマになってる」
「うん……」
「どうして笑ったりしたの?」
「俺と同い年なのに、年上の令嬢が何も言い返せないくらい堂々と正論をぶつけていたから、最高だなって思って笑ってしまった。そしたらちょうど目が合ったんだ。それで誤解されたんだと思う」
「そんなことだろうと思った」
「え……」
「環奈のこと、好きなんでしょ?」
「うん。俺、出来ることなら環奈ちゃんと将来結婚したい」
「颯介君も環奈もまだ中学一年生。これからまだまだたくさんの人と出会う。いつか運命の人が現れるかもしれないよ?」
「もう現れた。俺の運命の人は環奈ちゃんだから」
「そこまで言い切れるのはどうして?」
「直感」
「直感?」
「うん。初めて環奈ちゃんと面と向かった時、将来が見えた」
「環奈はね、大切な妹で、私の光なの。あの子には絶対幸せになって欲しい。だから私は、環奈を傷つける者には容赦はしない。だけど、環奈のことを大切に想ってくれている人が困っている時には、力を貸してあげたいと思ってる」
「え?」
桃香はにこやかに笑う。
「私が力になってあげる。そうしたら、環奈は幸せになれるんでしょう?」
俺は深く頷いた。
「桃香先生に誓う。環奈ちゃんを必ず幸せにする」
「わかった。わたしは何をすればいいかしら?」
「環奈ちゃんの状況を教えて欲しい。今もこれから先も」
「まるで密偵ね」
「ダメ?」
桃香はかぶりを振る。
「おばさま、よろしいでしょうか?」
「もちろんよ。私も環奈ちゃんには幸せになってもらいたいもの。その役目を颯介が担うなんて最高じゃない! 二言はないわよね?颯介」
「あたりまえだろ」
二人は穏やかに笑っていた。
そうやって俺は、最強の協力者を得たのだった。