最後の花火
八月二十七日、花火大会当日。私は新しく買ったばかりの浴衣を着て待ち合わせ場所へと向かう。家は近所だけど、一緒に行くのを夏希が嫌がったから、現地集合になったんだ。
「夏希、お待たせ」
花火大会の会場には、すでに夏希が待っていた。着ているのは浴衣や甚平ではなく、シンプルなTシャツとハーフパンツだ。でも隣に並んで花火大会を楽しめるのが嬉しくて、私の顔は自然と笑顔になる。
「浴衣、去年着てたやつと違うんだな」
夏希は私の着ている浴衣をジッと見て言う。去年までは、小学生の頃から着ている金魚柄の浴衣を着て花火大会に行っていた。でも金魚柄はあまりにも子どもっぽいと今年は親に強く言い、クラシカルな雰囲気の向日葵柄の黄色の浴衣を買ってもらったんだ。……夏希に少しでも「可愛い」って思ってもらえたらいいなって考えながら。
「もう高校二年生なんだから、いつまでも金魚柄は恥ずかしいじゃん」
「そうか?金魚、可愛くね?」
夏希は笑いながら歩き出し、私も彼の隣に並ぶ。一見するとカップルがデートに来たように見えるだろう。でも、私たちの距離は近いように見えて遠い。
「夏希、お待たせ」
花火大会の会場には、すでに夏希が待っていた。着ているのは浴衣や甚平ではなく、シンプルなTシャツとハーフパンツだ。でも隣に並んで花火大会を楽しめるのが嬉しくて、私の顔は自然と笑顔になる。
「浴衣、去年着てたやつと違うんだな」
夏希は私の着ている浴衣をジッと見て言う。去年までは、小学生の頃から着ている金魚柄の浴衣を着て花火大会に行っていた。でも金魚柄はあまりにも子どもっぽいと今年は親に強く言い、クラシカルな雰囲気の向日葵柄の黄色の浴衣を買ってもらったんだ。……夏希に少しでも「可愛い」って思ってもらえたらいいなって考えながら。
「もう高校二年生なんだから、いつまでも金魚柄は恥ずかしいじゃん」
「そうか?金魚、可愛くね?」
夏希は笑いながら歩き出し、私も彼の隣に並ぶ。一見するとカップルがデートに来たように見えるだろう。でも、私たちの距離は近いように見えて遠い。