キミノート。
またまた長い先生の話やら教科書の配布やらを終え、今日の始業式は終わりを迎えた。




「さようならー」




次々にクラスの人が帰っていった。



私は人混みのなかを頑張ってかきわけ、あの人の後ろをついていった。






校舎を出ると、周りに人は全然いなくなってしまった。



相変わらず前にはあの人。





何メートルか後ろには、私。






ってかこれ…ストーカーじゃん……


でも、今更気づいてももう遅い。


せっかくここまで来たのだから、ちゃんとお礼言おう。







よし。せーの…………




「か~~~な~~~♪♪♪」


「うひゃあああ!!??」






な、何!?何何何が起こったの!?



私はばっと後ろを振り返る。


そこにいたのは……








「か、かれん!!??」



「はろ~ん♪」



そういいかれんは手をひらひらとさせる。




この人は響(ひびき)かれん。



小学校の頃からの大親友。

かれんは凄い可愛いくて、テンション高くて、いつもみんなをまとめてくれるリーダー的な存在。

なんでも話せる、本当に大切な友達。





「あ、そうだ、かれんは何組だったの??」




「…。可菜と同じ5組だけど~!?」



「へ、うっそぉ!!?」



「マジマジ!!あたし可菜!!ってずっと呼んでたのに、あんたずっとぼ~っとしてて気付かないんだもん!」




う…あの時は周りなんて全然気にしてなかったから…


「かれん、ごめん!」




「いや別にいんだけどさ!それより可菜、帰る方向違うよね??何か用あんの??」







え……


「あ~!!!!」


忘れてた!!すっかり忘れてた!!
なんで今日はこんなボケてるかなぁ私!





急いで前にいるか探す。


さっきよりもかなり距離が離れてしまっていた。

< 11 / 21 >

この作品をシェア

pagetop