キミノート。
この距離で、あの人に追いつけるかな…??


私が見せた、ほんのちょっと考えていただけの隙をかれんは見逃さなかった。






「ねッ!!今前に誰か探してたよね??…お♪もしかして可菜、あの人目当てな感じぃ!!??」


「かっかれん!!」


かれんはにやついた顔で前をみた。





「あっはっは照れるなって!!初恋はそんなもんだよ♪さっ早くあの子を追いかけ告白してきな~♪」


「も、もうっ!!かれん、違うってば!!!」





恋愛に食いついたかれんは、私の話など全然聞いてなかった。






「はいはい♪じゃあまた明日~♪結果教えなさいよ~♪」



そういい、かれんは言うだけいって、とっとと帰っていった。







かれん、違うって言ってんのに…


明日ちゃんと訳を話せばいっか。




私は再び前を見てみる。



あの人との距離は相変わらずどんどん開いていた。





早く追いつかなくちゃ、早く……


そして、頑張って歩き、あの人に追いついた私は小さく深呼吸をした。






胸は朝のようにまたドキドキしている。




男の人に話しかけるのってこんな緊張したっけ!?






私それほど緊張していた。





(……よし。今度こそ。せーのっ……)











「あ、あの、すみませーん!!!」
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