キミノート。
………一瞬、廊下の空気が固まった。
ような気がした。
それほど静かになった、ということだ。
「………。」
そのほんのひとときの静寂を。
「………っくくくッ」
あのときの笑顔で。
「……っぷははははははッ」
立花くんは壊してくれた。
「………へ?」
かれんはついさっきの空気と今の空気が全く違うことに頭が追いついていないようだった。
「あはははッ……ぁ~お前達おもしれーな!小原、超びびってんじゃん!」
といい、それから…私達の方へ手を差し出した。
「よろしくな。“蓮”でいいから。」
そして、また笑いかけてくれた。
嘘……信じられない…
夢じゃないよね…??
かれんは私の背中を押し、蓮の正面に立たせた。
そして……
「……あの、こちらこそ、よろしくね。…“蓮”」
私は蓮の手を、固く、固く、握りしめた。