キミノート。
「………え?」




私は顔をあげる。






「いってきま~す」









今、私の視線の先の家から出てきた、男。





私は目が悪いからはっきりとは見えなかったけど…





制服が、同じだった。



それに、中1のネクタイをしているから、同級生みたい。







その人は自転車に乗り、学校へ急いで向かおうとしていた。









そのとき、ふと、目があってしまった。





(え……)






私はなんとなく怖くて、あわてて目をそらしてしまった。



私の馬鹿…そのまま学校の道聞けば良かったのに!!








私はうつむき、小さなため息をついた。



もう……頭が働かないや……














……カラカラカラカラ…












(………なに??)






自転車を手で押している音がする。





そっと、顔をあげてみる。





さっきの人が、だんだんこっちへ向かってきていた。



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