五月の呟き
相容れぬディティ
僕は知っている
僕が僕であることを
僕は知っている
貴方は貴方であって
僕ではないことを
僕は知っている
貴方には貴方の
僕には僕の
考え方や感じ方
得手不得手
その他
数え切れないほどの
アイデンティティが
あることを
なのに僕の意識は
僕を中心に
考えようとして
貴方を貴方と認識し
僕は僕と固定する
なのに僕は
それを聴(ユル)し
相容れない貴方を
否定したがる
なのに僕は貴方を求め
貴方が僕を求めることを
望んでいる
相容れぬディティが
互いに僕らを引き寄せる