孤独な悪役魔王の花嫁に立候補します〜魔の森で二人と一匹が幸せを掴み取るまで〜
「うーん、そうね。足りないのは覚悟じゃないわ。――足りないのは会話よ。
アイノはいつも張り切って好意を伝えてくれるし、肯定的に受け取ってくれるから暗黒期もまったく問題ないと思ってしまったわ」
私にブランケットを優しくかけ直しながらショコラは言った。
「でもアイノだって普通の女の子だものね。私たちがあなたに甘えすぎていたわ」
「甘えすぎていた?」
「そう。私たちはいつだってあなたの明るさと強引さに救われてる」
「強引さっていいのかしら」
「もちろんよ!
二十年、私は悲しみに暮れるあの子に何もしてあげられなかった。寄り添うことしか出来なかった。本当にあの子が求めていたものは、暗闇をぶち壊す明るい太陽だったの」
ショコラは私をじっと見つめた後に窓の外に視線をうつす。朝も昼も夜もわからない暗闇がそこにはある。この暗闇の中アルト様はずっと……。
「私もなんだか暗闇に飲まれちゃってたかも」
「それはそうよ。まあそもそもあの子が意気地なしなのが悪いし、アイノだけが頑張る必要は一切ない。でも、話はしないとね。
アイノ念願の『白の花嫁』になってみて、どう? 」
「『白の花嫁』になりたかったけど、いざなってみるとなりたくなかったのかも」
「アルトにもそれだけが伝わってると思うわ。表面ですれ違ってない?」
「私が花嫁を嫌がってると思ってる……?」
「あの子はなんだかんだ優しいからね」
「それは知ってる」
「そして鈍感だから。でもアイノの本質はそこじゃないでしょ。どうして『白の花嫁』になりたくなくなったの?」
アイノはいつも張り切って好意を伝えてくれるし、肯定的に受け取ってくれるから暗黒期もまったく問題ないと思ってしまったわ」
私にブランケットを優しくかけ直しながらショコラは言った。
「でもアイノだって普通の女の子だものね。私たちがあなたに甘えすぎていたわ」
「甘えすぎていた?」
「そう。私たちはいつだってあなたの明るさと強引さに救われてる」
「強引さっていいのかしら」
「もちろんよ!
二十年、私は悲しみに暮れるあの子に何もしてあげられなかった。寄り添うことしか出来なかった。本当にあの子が求めていたものは、暗闇をぶち壊す明るい太陽だったの」
ショコラは私をじっと見つめた後に窓の外に視線をうつす。朝も昼も夜もわからない暗闇がそこにはある。この暗闇の中アルト様はずっと……。
「私もなんだか暗闇に飲まれちゃってたかも」
「それはそうよ。まあそもそもあの子が意気地なしなのが悪いし、アイノだけが頑張る必要は一切ない。でも、話はしないとね。
アイノ念願の『白の花嫁』になってみて、どう? 」
「『白の花嫁』になりたかったけど、いざなってみるとなりたくなかったのかも」
「アルトにもそれだけが伝わってると思うわ。表面ですれ違ってない?」
「私が花嫁を嫌がってると思ってる……?」
「あの子はなんだかんだ優しいからね」
「それは知ってる」
「そして鈍感だから。でもアイノの本質はそこじゃないでしょ。どうして『白の花嫁』になりたくなくなったの?」