孤独な悪役魔王の花嫁に立候補します〜魔の森で二人と一匹が幸せを掴み取るまで〜
先程まで庭で魔物たちの様子を見ていたはずのアルト様がいつの間にかやってきていた。アルト様が手伝ってくれるなら魔法の力でケーキたちはすぐにテーブルに並んだ。
会場を見渡すとすべての準備が完了したようでリイラがグーサインを送ってくるから
「アルト様、お願いします」
隣に目線を送ると、アルト様は頷いて指をパチンと鳴らす。
部屋の明かりが消えて、小さな白い光がいくつもふわふわと浮かんだ。それは昨年のクリスマスにアルト様が見せてくれたイルミネーションで、今日もゲストに贈るためにお願いしていた。きらきらと漂う光の雪が会場を染めてうっとりするほど幻想的な空間になる。
「きれえ!」
ゲストの中には小さな子どももいて、嬉しそうな声が上がる。子供だけじゃなくて、小さな歓声はあちこちで起きる。
アルト様の魔法はいつだって優しい。アルト様を表すようなそんな優しい魔法が好きで、その魔法で喜んでいる人が目の前にいて私の頬は自然と緩む。
「アルト!」
マティアス様が爽やかな笑みをアルト様に向けた。
「今日のホストとして一言お願いできないか」
アルト様は面食ったようだけど、言われるまま皆の前に立つ。
「今日はこの場に集まってくれたこと感謝する……乾杯」
たった一言の挨拶だけど、アルト様の表情からはこの場に対する愛情のようなものが見て取れる。
「メリークリスマス!」あちこちで陽気な声が上がって私も「メリークリスマス!」と声を上げた。
「アイノ、ちょっとこっちきて」
会場を見渡すとすべての準備が完了したようでリイラがグーサインを送ってくるから
「アルト様、お願いします」
隣に目線を送ると、アルト様は頷いて指をパチンと鳴らす。
部屋の明かりが消えて、小さな白い光がいくつもふわふわと浮かんだ。それは昨年のクリスマスにアルト様が見せてくれたイルミネーションで、今日もゲストに贈るためにお願いしていた。きらきらと漂う光の雪が会場を染めてうっとりするほど幻想的な空間になる。
「きれえ!」
ゲストの中には小さな子どももいて、嬉しそうな声が上がる。子供だけじゃなくて、小さな歓声はあちこちで起きる。
アルト様の魔法はいつだって優しい。アルト様を表すようなそんな優しい魔法が好きで、その魔法で喜んでいる人が目の前にいて私の頬は自然と緩む。
「アルト!」
マティアス様が爽やかな笑みをアルト様に向けた。
「今日のホストとして一言お願いできないか」
アルト様は面食ったようだけど、言われるまま皆の前に立つ。
「今日はこの場に集まってくれたこと感謝する……乾杯」
たった一言の挨拶だけど、アルト様の表情からはこの場に対する愛情のようなものが見て取れる。
「メリークリスマス!」あちこちで陽気な声が上がって私も「メリークリスマス!」と声を上げた。
「アイノ、ちょっとこっちきて」