孤独な悪役魔王の花嫁に立候補します〜魔の森で二人と一匹が幸せを掴み取るまで〜
「ちょっとちょっと待ってください! 暗黒期が来てからじゃ遅いんです! あなたたちの心が荒れると、魔物も人間の住処に飛び出してきてしまうんですよ! 犠牲者を出さないためにも、暗黒期より前に私を受け入れてください!」
生贄の立場でなんでこんなにアピールしているんだ。それにしてもこんなに歓迎されない生贄っているんだろうか。
「なぜ一年後だとわかった」
アルト様は背を向けたまま静かに尋ねた。
「お告げがあったんです! そして暗黒期よりも早く魔王様の元に嫁げと命じられたのです」
自分が早くアルト様に会いたかっただけだが、国のせいにするくらい許されるはずだ。
「あの、私! 国に返されたら困るんです!罰を与えられます!」
ようやくアルト様は振り向いてくれた。そしてツカツカと門の方まで来てくれる。
「お前は今一人だな?」
「はい。先ほどまで騎士もいましたが……」
「ショコラ。彼女以外この場には誰もいないか?」
魔王は誰かに呼びかける。数秒あって、門は開いた。ひとまず話は聞いてくれる気になったらしい。気が変わらないうちに私はさっさと門の中に飛び込んだ。
私が入ると後ろでキィと音が鳴り、門がすぐにしまったことに気づく。
それを見ているうちに、アルト様は私を待たずに足早に歩いていく。慌ててアルト様の後を追いかけた。
生贄の立場でなんでこんなにアピールしているんだ。それにしてもこんなに歓迎されない生贄っているんだろうか。
「なぜ一年後だとわかった」
アルト様は背を向けたまま静かに尋ねた。
「お告げがあったんです! そして暗黒期よりも早く魔王様の元に嫁げと命じられたのです」
自分が早くアルト様に会いたかっただけだが、国のせいにするくらい許されるはずだ。
「あの、私! 国に返されたら困るんです!罰を与えられます!」
ようやくアルト様は振り向いてくれた。そしてツカツカと門の方まで来てくれる。
「お前は今一人だな?」
「はい。先ほどまで騎士もいましたが……」
「ショコラ。彼女以外この場には誰もいないか?」
魔王は誰かに呼びかける。数秒あって、門は開いた。ひとまず話は聞いてくれる気になったらしい。気が変わらないうちに私はさっさと門の中に飛び込んだ。
私が入ると後ろでキィと音が鳴り、門がすぐにしまったことに気づく。
それを見ているうちに、アルト様は私を待たずに足早に歩いていく。慌ててアルト様の後を追いかけた。