孤独な悪役魔王の花嫁に立候補します〜魔の森で二人と一匹が幸せを掴み取るまで〜
一つ門を入ってからも森に変化はなく、暗い森が続いているだけだ。建物などは何もない。
しばらく歩くとまたしても大きな門が現れた。今度は門に大きな扉がついていて、この先は見えない。きっとこの奥に城があるんだ。
アルト様は私に向き直り、自分の首のスカーフをするりと取り、私に近づいてきた。
「えっ」
一歩踏み出せば足がコツンと当たるくらいの距離まで来ると、アルト様の手が私に向かって伸びてきた。
え?愛してくれた?抱きしめられ――と思ったけど、そんなことはない。
彼は器用に私の首にスカーフを巻いただけだ。
「あの、これは……」
「この門以降は魔人しか通れない。俺の物を身に着けていれば通れる」
「ああなるほど……ありがとうございます」
アルト様が美しい紋様の扉の前に立つと、紋様が赤く光り大きな音を立てて扉は開いた。
あまりにも厳かな扉に緊張するけれど、アルト様は私を気にせずについていくので追いかけるしかない。
しばらくして私の目に現われたのは、木々に覆われツタが張っている小さな洋館だった。
ホラー映画に出てくるような屋敷を描いてくださいと依頼したらこれになるというくらいオーソドックス・ホラー洋館だ。
しばらく歩くとまたしても大きな門が現れた。今度は門に大きな扉がついていて、この先は見えない。きっとこの奥に城があるんだ。
アルト様は私に向き直り、自分の首のスカーフをするりと取り、私に近づいてきた。
「えっ」
一歩踏み出せば足がコツンと当たるくらいの距離まで来ると、アルト様の手が私に向かって伸びてきた。
え?愛してくれた?抱きしめられ――と思ったけど、そんなことはない。
彼は器用に私の首にスカーフを巻いただけだ。
「あの、これは……」
「この門以降は魔人しか通れない。俺の物を身に着けていれば通れる」
「ああなるほど……ありがとうございます」
アルト様が美しい紋様の扉の前に立つと、紋様が赤く光り大きな音を立てて扉は開いた。
あまりにも厳かな扉に緊張するけれど、アルト様は私を気にせずについていくので追いかけるしかない。
しばらくして私の目に現われたのは、木々に覆われツタが張っている小さな洋館だった。
ホラー映画に出てくるような屋敷を描いてくださいと依頼したらこれになるというくらいオーソドックス・ホラー洋館だ。