孤独な悪役魔王の花嫁に立候補します〜魔の森で二人と一匹が幸せを掴み取るまで〜
三つ空き部屋があるようでショコラは少し考えてから真ん中の部屋を前足で指した。
「あの部屋がいいと思うけど、あの部屋も二十年開けていないのよね」
「大丈夫。今日は掃除の一日にするわ」
「そうね。そういえばあなた荷物は?」
「このドレスとジャラジャラした宝石くらいであとはほとんどないわ」
「あなた本当に生贄として送られたのね……じゃあ掃除しちゃいましょうか」
「はい!」
さっき埃を吸ってしまったから、喉がイガイガする。コホコホともう一度息を吐く。
「ショコラごめんなさい。お茶を淹れてもらえないかしら。喉が気持ち悪くて」
そう言うとショコラは不思議な顔をしてこちらを見た。
「ごめんなさい、図々しかった。自分で淹れるわ。お水でもなんでもいいんだけど」
「あっ、そうね……!? そうよね? あなた人間だものね。飲み物が必要だし、もしかして食べ物も必要なのかしら?」
ショコラは思いついたように言った。
至極当たり前の質問をされて、戸惑いながら頷いてみる。
「大変。ここには今食べ物も飲み物もないわ。とりあえずキッチンでお水を――いや、バスルームで水を汲んでくるわ」
「あの部屋がいいと思うけど、あの部屋も二十年開けていないのよね」
「大丈夫。今日は掃除の一日にするわ」
「そうね。そういえばあなた荷物は?」
「このドレスとジャラジャラした宝石くらいであとはほとんどないわ」
「あなた本当に生贄として送られたのね……じゃあ掃除しちゃいましょうか」
「はい!」
さっき埃を吸ってしまったから、喉がイガイガする。コホコホともう一度息を吐く。
「ショコラごめんなさい。お茶を淹れてもらえないかしら。喉が気持ち悪くて」
そう言うとショコラは不思議な顔をしてこちらを見た。
「ごめんなさい、図々しかった。自分で淹れるわ。お水でもなんでもいいんだけど」
「あっ、そうね……!? そうよね? あなた人間だものね。飲み物が必要だし、もしかして食べ物も必要なのかしら?」
ショコラは思いついたように言った。
至極当たり前の質問をされて、戸惑いながら頷いてみる。
「大変。ここには今食べ物も飲み物もないわ。とりあえずキッチンでお水を――いや、バスルームで水を汲んでくるわ」