孤独な悪役魔王の花嫁に立候補します〜魔の森で二人と一匹が幸せを掴み取るまで〜
リイラは泣き腫れた目をしていた。たった一人の友人が突然消えて不安なようだった。
――――その消えてしまった女生徒の名前が扉の向こうで聞こえる。
「それじゃアイノ嬢は本当に消えたんだな」
「ええ。ご指示通り騎士は一旦その場を離れました。十分後にもう一度戻ると既に彼女の姿はなかったとのことです」
「であれば、彼女の妄想ではなかったということだな」
「そうなりますね。もしくは、魔物に食い殺されたか……まあ血の一滴すらなかったようですから、中に入ったと考えた方がいいでしょう。――生き残りがいるのは間違いありません」
「準備をせねばならんな」
「前回同様花嫁行列で……」
「いやそこは慎重に考えていかねばならん。ひとまず一年後に備えて結界の強化だ」
これは一体何の話だろう。消えてしまったリイラの友人。
彼女が消えたことに、国が関わっている……?
足音がこちらに向かってくるのを感じて、僕は置物に身を隠した。
扉から出てきたのは、数名の大臣と――あれはプリンシラ侯爵ではないだろうか。彼女の父も関わっている?
僕は数分その場で待機してから父の元に向かった。
――――その消えてしまった女生徒の名前が扉の向こうで聞こえる。
「それじゃアイノ嬢は本当に消えたんだな」
「ええ。ご指示通り騎士は一旦その場を離れました。十分後にもう一度戻ると既に彼女の姿はなかったとのことです」
「であれば、彼女の妄想ではなかったということだな」
「そうなりますね。もしくは、魔物に食い殺されたか……まあ血の一滴すらなかったようですから、中に入ったと考えた方がいいでしょう。――生き残りがいるのは間違いありません」
「準備をせねばならんな」
「前回同様花嫁行列で……」
「いやそこは慎重に考えていかねばならん。ひとまず一年後に備えて結界の強化だ」
これは一体何の話だろう。消えてしまったリイラの友人。
彼女が消えたことに、国が関わっている……?
足音がこちらに向かってくるのを感じて、僕は置物に身を隠した。
扉から出てきたのは、数名の大臣と――あれはプリンシラ侯爵ではないだろうか。彼女の父も関わっている?
僕は数分その場で待機してから父の元に向かった。