孤独な悪役魔王の花嫁に立候補します〜魔の森で二人と一匹が幸せを掴み取るまで〜
「食べるときは人間の姿の方が美味しいと思って」
状況的に考えるとそれはショコラしかありえなかった。だけど犬が女の子に? そんな高度な魔法を使える使い魔なんているんだろうか。
「ほらアルトも」
ショコラ(人間の姿)はアルト様を引っ張ると、私が皿を置いた席の前に無理やり着席させた。
「お好みで蜂蜜やジャムもどうぞ」
私はフォークとナイフを皿の隣に並べてやる。渋々と言った表情でアルト様はフォークを取った。
なるほど。アルト様は押しに弱い、と。
「私もう我慢できないので!いただきまーす!」
砂糖をたっぷり入れたので、焼き目はほんの少し焦げてキャラメリゼみたいになっている。レンジ風魔法のおかげで中まで染み込んでいるから、外はサクッ! 中はトロリ! という文句なしのフレンチトーストができた。今日は時間がなかったけど、生クリームやフルーツも添えたい。
「はあ、これ。やめられないかも」
ショコラは次々と頬張っていく。私たちが三口目を頬張るの見届けてからアルト様は小さく切り分けて口に……アルト様が食べた!
「甘い」
「甘いもの、どうですか?」
「嫌いじゃない」
むくれた顔のまま咀嚼しているけど、これはクーデレ男の美味しいのサインだ! その証拠にアルト様は二口目も切り分けている。つい頬がゆるむ。
「私は食事をしないと生きていけません。だから毎食作ります。魔人は食べなくても平気だけど、食べてもいいんですよね? 良かったら嗜好品として、食べてください!」
「食べる食べる!」
もう皿が空になっているショコラは指についたジャムをペロリとなめながら手を挙げた。
「アルト様はどうですか?」
三口目を口に入れたアルト様を見てみる。アルト様は顔をそらして「食べる」と呟いた。私は口角が上がってしまうのが止められない。
フレンチトーストで心トロリ作戦大成功である。
花嫁たるもの、胃袋を掴まなくてはいけない。
暗黒期が終わっても、ここに置いてもらう作戦そのいち。好調ではないでしょうか。
状況的に考えるとそれはショコラしかありえなかった。だけど犬が女の子に? そんな高度な魔法を使える使い魔なんているんだろうか。
「ほらアルトも」
ショコラ(人間の姿)はアルト様を引っ張ると、私が皿を置いた席の前に無理やり着席させた。
「お好みで蜂蜜やジャムもどうぞ」
私はフォークとナイフを皿の隣に並べてやる。渋々と言った表情でアルト様はフォークを取った。
なるほど。アルト様は押しに弱い、と。
「私もう我慢できないので!いただきまーす!」
砂糖をたっぷり入れたので、焼き目はほんの少し焦げてキャラメリゼみたいになっている。レンジ風魔法のおかげで中まで染み込んでいるから、外はサクッ! 中はトロリ! という文句なしのフレンチトーストができた。今日は時間がなかったけど、生クリームやフルーツも添えたい。
「はあ、これ。やめられないかも」
ショコラは次々と頬張っていく。私たちが三口目を頬張るの見届けてからアルト様は小さく切り分けて口に……アルト様が食べた!
「甘い」
「甘いもの、どうですか?」
「嫌いじゃない」
むくれた顔のまま咀嚼しているけど、これはクーデレ男の美味しいのサインだ! その証拠にアルト様は二口目も切り分けている。つい頬がゆるむ。
「私は食事をしないと生きていけません。だから毎食作ります。魔人は食べなくても平気だけど、食べてもいいんですよね? 良かったら嗜好品として、食べてください!」
「食べる食べる!」
もう皿が空になっているショコラは指についたジャムをペロリとなめながら手を挙げた。
「アルト様はどうですか?」
三口目を口に入れたアルト様を見てみる。アルト様は顔をそらして「食べる」と呟いた。私は口角が上がってしまうのが止められない。
フレンチトーストで心トロリ作戦大成功である。
花嫁たるもの、胃袋を掴まなくてはいけない。
暗黒期が終わっても、ここに置いてもらう作戦そのいち。好調ではないでしょうか。