孤独な悪役魔王の花嫁に立候補します〜魔の森で二人と一匹が幸せを掴み取るまで〜
「魔物は怖くない」
アルト様は穏やかな表情でウッコルフを撫でた。ウッコルフは気持ちよさそうに目を細めてされるがままになっている。
「私が触ったら怒りますか?」
「いや、怒らない」
「じゃあ失礼しますねー」
こわごわ背中を撫でてみる。本当に大型犬と変わらない触り心地だ。尻尾がパタパタと動いていて、喜んでいるように見える。少しだけピリッとする気もするけどわずかに静電気を発しているみたいで時々バチバチと音がする。背中から手をすべらせて、顎の下を撫でると気持ちよさそうにクゥンと鳴いた。
「ア、アルト様! めちゃくちゃかわいいのですが!」
「そうだろう」
アルト様が珍しく微笑んでいる、気がする。口角が少しだけ上がっているだけとも言うけど。とにかく穏やかな表情で他の魔物も同様に撫でてやっている。魔王と魔物というより、モフモフに囲まれる飼い主といった感じだ。
「彼らはどうやって生活してるんですか?」
「野生の動物と同じだ。草食もいるし、森に迷い込んだ動物を食べるものもいる」
「なるほど。本当にただの動物ですね」
「そうだ」
アルト様はそこで言葉を切った。モフモフ魔物たちを見つめながら表情が翳る。
「少し魔力があったり少し見た目が違うだけだ。人間は『魔物は人間を襲うもの』だと思っている。でも人間から攻撃をしかけなければこちらから襲うことはない。ただ普通の動物より能力が高くて、取り扱いが危険なだけだ」
「……私も魔物は恐ろしいものだと思っていました」
アルト様は穏やかな表情でウッコルフを撫でた。ウッコルフは気持ちよさそうに目を細めてされるがままになっている。
「私が触ったら怒りますか?」
「いや、怒らない」
「じゃあ失礼しますねー」
こわごわ背中を撫でてみる。本当に大型犬と変わらない触り心地だ。尻尾がパタパタと動いていて、喜んでいるように見える。少しだけピリッとする気もするけどわずかに静電気を発しているみたいで時々バチバチと音がする。背中から手をすべらせて、顎の下を撫でると気持ちよさそうにクゥンと鳴いた。
「ア、アルト様! めちゃくちゃかわいいのですが!」
「そうだろう」
アルト様が珍しく微笑んでいる、気がする。口角が少しだけ上がっているだけとも言うけど。とにかく穏やかな表情で他の魔物も同様に撫でてやっている。魔王と魔物というより、モフモフに囲まれる飼い主といった感じだ。
「彼らはどうやって生活してるんですか?」
「野生の動物と同じだ。草食もいるし、森に迷い込んだ動物を食べるものもいる」
「なるほど。本当にただの動物ですね」
「そうだ」
アルト様はそこで言葉を切った。モフモフ魔物たちを見つめながら表情が翳る。
「少し魔力があったり少し見た目が違うだけだ。人間は『魔物は人間を襲うもの』だと思っている。でも人間から攻撃をしかけなければこちらから襲うことはない。ただ普通の動物より能力が高くて、取り扱いが危険なだけだ」
「……私も魔物は恐ろしいものだと思っていました」