財閥御曹司とお見合い偽装結婚。
デートと提案
「……ね、ねぇ。本当にこれで大丈夫かしら」
「大丈夫ですよ。采羽様は洋服もとても似合います」
お見合いから一週間後、私は家政婦さんに洋服を見てもらいながらあーでもないこーでもないと言い合っていた。
「今まで、采羽様はお着物ばかりでしたのでワンピースは新鮮ですね」
「そうね……うん、スカートは学生以来だからか足元がヒヤヒヤする」
今回のワンピースは、学生の頃からの友人の瑠美ちゃんとお買い物に行った時に勧められて買ったものだ。
去年のものだけど、きっと大丈夫だろう。ヴィンテージライクで生成色の生地に小さなミモザの柄がプリントされているワンピースにレース地で出来ているショート丈のボレロカーディガンを羽織っている。