財閥御曹司とお見合い偽装結婚。
「……どうでしょう?」
「采羽ちゃん、……これ、可愛いね」
「ありがとうございます、翠翔さん」
少し照れてしまって俯いていると、知らない間に「薄紫系ない? もっと試着したい」と翠翔さんが言えば外商員が了承して数十分で薄紫のものをたくさん持ってきた。
何着か試着して、有識文様の菊立涌が織り出された緞子で優しい色合いである薄紫色の色掛けになり掛下はパステルピンクに決まった。
その後も、外出用の洋服や部屋着にバッグや靴なども翠翔さんに言われるがままに選ぶと気づけば購入後だった。