財閥御曹司とお見合い偽装結婚。



「美味しい?」

「はい! とても、美味しいです」

「良かった。味噌汁も美味しいね……でも、采羽ちゃんの作る味噌汁の方が俺は好きかな」

「そんなことは……プロの方には負けますよ。だって、家では出せない出汁が出てますし私はこんな風に出汁は取れません。でも、嬉しいです。翠翔さんにそう言ってもらえて」


 翠翔さんはいつも美味しいと言ってくれるけど、毎日不安だったし少し安心した。

 その後、食べ終わると天女と五頭龍伝説で有名な『龍恋の鐘』に行ったり、江島神社にお参りしたり江ノ島を散策した。
 こういった自然の中を歩くのは初めてだからか少しだけ疲れてしまった。そうして、夕方ごろには江ノ島を出て家に帰った。



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