財閥御曹司とお見合い偽装結婚。
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「……はぁ〜うっま! これ、めちゃくちゃ美味しいんだけど」
「ありがとう。余りものだけど」
よほどお腹空いていたのか、水餃子と卵チャーハンが乗っていたお皿はあっという間に空だ。
「そうだ、采羽。俺、結婚が決まったんだ」
「え、結婚!? 今日、本家に行ったのはお見合いだったの?」
「そうだよ。相手は、本家の次女だ。采羽と同い年だよ」
本家の次女ということは……理緒ちゃんか。親戚の集まりで中学生までは仲良くしていたけど、お互い高校生になると忙しくなって会う機会が減ってしまい、私も本家にお邪魔することは少なくなったから。
じゃあ、理緒ちゃんは義理のお姉さんになるってことかぁ。なんか変な感じだ。