フラれたはずなのに、なぜか迫ってくる
「いや何でよ?俺悪いことしちゃったんだしさ、約束の時間よりも過ごせる時間短くなっちゃったでしょ?


下見し終わってすぐ解散もつまんないだろうし、彩ちゃんがしたいことして帰らない?その方が絶対楽しいって」


私は、先輩が無事で一安心だったけど、先輩はそれじゃあ納得いかないのか…。


ん?でも、待てよ?


先輩と一緒に長く過ごせるってことは、先輩の新しい面を知れるチャンスなんじゃ…!?


そうとならば…!


「そうですね…!ここ食べ物とかコスメとかゲーセンもたくさんあるし!そうしましょう!」


「やった。じゃあ、まずは下見しに行きますか」


先輩は無邪気に笑いながら喜んだ。


先輩、今日何回目の笑顔なんだろう…?


学校でも、この笑顔、たくさん見れたらいいのに…。



ショッピングモールに入って、私たちはまず文化祭に必要な小道具などを見に行くため、雑貨店にやってきた。


「えーっと、確か学校共通で必要なものと学年で共通で必要なもの…」


「学校共通で必要なものは、画用紙とかすずらんテープとかかな。


出店する店もその他のことする店も、飾りつけは必須だからね」


「なるほど。先生たちが発注する画用紙ってこれでしょうか?」


「多分それ。去年俺んとこそうだった」


「このくらいの大きさか…!」


画用紙は両手で広げても大きかった。


「次行くか」


「そうですね…!」


先輩の向かう方向に私はテコテコついていく。


「あ、あった。すずらんテープ」


先輩が指を指す方向を見ると色とりどりのすずらんテープが並んでいた。


「わぁ…!結構種類あるんですね…!」


「色は自由だし、範囲内の出費だったら学校から出してもらえるから、各クラスごと必要な色選べばいいよ」
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