フラれたはずなのに、なぜか迫ってくる
「じゃあ、うちのクラスは黒と白かな〜♪」


「……」


先輩が私をじっと見ていたことに気がつく。


「?どうしたんですか、先輩」


「…あ、いや、何でもないよ。彩ちゃんのところって確か…『メイド&執事喫茶』だよね?」


「そうです!満場一致で決まったんです…!」


「…俺、文化祭の日、行っていい?可愛い、後輩、見に行きたいんだよね」


「へ!?」


か、可愛いって…!


後輩って意味だったけど、か、勘違いしちゃうっ…。


「ダメ?」


「な、う…も、もちろんです!私も先輩に見に来て欲しいです…!」


「マジで?やった!」


キュン。


先輩って、ずるいなぁ…。


私、先輩が来るって、分かったなら、委員会も文化祭も頑張れちゃう気がするよ。


それから学年で必要な両面テープも下見し終わり、午後になった。


午後は昼食を取りにショッピングモール内にあるファミレスへ食べに行った。


そして、ついにデートへ。


「先輩、どこ行きたいとかありますか?」


「え、彩ちゃんが好きなところでいいよ?」


「いえ、私だけの願望だけだと先輩きっと飽きちゃいますよ。だったら2人で楽しめるものにしましょう?」


「…だったらこうしない?お互いが好きなものをいくつか見て回ろうよ」


「!賛成です…!」


先輩のことを知れるだけじゃなくて、私のことも知ってもらえるチャンスだ…!


このデート、勝算高められるかも…!?
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