フラれたはずなのに、なぜか迫ってくる
「ここは…」


私が前行きたかったカフェ…!?


「俺の知り合いがここで働いてるんだよね」


「そうなんですか…!?」


私ここに何回も来てるけど、先輩の知り合いらしき人見かけたことないような…?


シフトの問題なのかな?


ーカランカラン


扉を開くと同時に小さなベルが鳴り、私たちは中へ来店する。


「いらっしゃいま… !?櫂と小桜さん!?」


それまた同時に名前を呼ばれた気がして、私は目を見開く。


え。


この人、私のこと知ってる…?


「柊、彩ちゃんびっくりしてるでしょ」


「はぁ!?それはこっちのセリフだって!…どういう経緯で今一緒にいるんだよ!」


富谷先輩は柊さんに強引に連れてかれ、何かを話している。


“柊”?


どこかで聞いたことあるような…。


『…柊、早く生徒会室行こ。てか行くよ』


『あ“!?ちょっと…!いいのかよ…!!』


そうだ、思い出した…!


補習の時、見かけた人だ!


学校で全然見かけなかったからすっかり忘れてた。


私の名前を知ってたのはきっと私が富谷先輩にしつこいくらいほとんど毎日会いに行ったから、柊先輩にも認知されちゃったんだっ…。


ちょっと反省…。


「まぁまぁ、いいでしょ?いつもの席でお茶させて」


「いいけどさー。…後でぜってー白状させる」


ふふっ。富谷先輩と柊先輩仲良しだなぁ〜…。
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