フラれたはずなのに、なぜか迫ってくる
「けど、そんな時、彩ちゃんは割に入った。何してるんだって」


「さ、最終的には逃げましたけどね…!」


「だから思ったんだ。俺もこのままじゃダメだって。


ーーーだから俺、もう1回言う。今度は逃げたりしない。彩ちゃんのことが好きだ。付き合ってほしい」


こんなこと、夢にも思っていなかった。


先輩が私のこと、好きだなんてありえないと思っていたから…。


こんなこと、あっていいのかな?


私で、いいのかな?


「ほんと、ですか……?」


「ほんと。もう1回言う?俺が彩ちゃんが好きってこと」


「っ…もう1回、言ってほしい、です」


「っ、好きだよ。彩ちゃん」


「…っ私も先輩が好きです。富谷先輩が大好きです」


「俺と付き合ってくれる?」


「!もちろんですっ…!」


私の返事と同時にキスを落としてきた先輩。


「せ、先輩…っ」


「…嫌だった…?」


富谷先輩は遠慮気味に眉を八の字に描いた顔をした。


私は首を横にブンブン振る。


嫌なわけ、ない。


「嬉しいです…!」


思わずギュッと先輩に抱きつく。


「はぁ、もう俺めっちゃ嬉しい」


「えへへ」


「これからは、俺彩ちゃんと自分の気持ちに逃げない」


「私も富谷先輩と自分の気持ちに逃げたりしません!」


私たち2人は微笑み合い、もう1度キスを落とした。


私・小桜彩はーーー今日から好きな人…ううん、大好きな先輩とカレカノになります。
< 47 / 56 >

この作品をシェア

pagetop