フラれたはずなのに、なぜか迫ってくる
「第128回春山高校文化祭スタートです!」
放送部の部長さんの声を合図に文化祭開幕!
私たちのクラスは…
「8番デーブル、ストロベリーホイップパンケーキ入った!」
「はーい!」
絶賛出し物に大忙し!
「いやぁ、かなり大繁盛してるね」
「午前の部学年も総合1位これなら取れたりするかも!」
クラスの女子は、この繁盛ぶりに今日の後夜祭で発表される繁盛したクラスランキングについて話していた。
確かに、想定よりも倍以上のお客さんが来てくれてる。
ふふっ、嬉しいな。
「彩、午後から抜けるんだよね?」
友達やカップル、家族で来てるお客さんを微笑んで見ていた時、裏方の怜実に話しかけられた。
「うん、先輩と文化祭回るんだ〜♪」
「その後のこと教えなさいよ」
「うんっ!」
怜実は普段から言い方がちょっと厳しい子だけど、ただただ世話好きで心配性なだけなんだよね。
お母さんみたいで頼りになる親友。
この子と親友でよかったな、と微笑ましく思っていた時だった。
「おーい、彩」
覚えのあり過ぎる声が聞こえたかと思って、振り返ると、接客をしてる龍輝に声をかけられた。
「何ー?」
「富谷先輩来てるー」
「っへ!!?」
嘘、まだ午前の部終わってないよ!?
教室の前扉の方へ行くと、ニコニコ微笑んでいる富谷先輩がいた。
「先輩!!?」
「仕事終わらせて、来ちゃった」
「来ちゃったって…びっくりしてるんですけど!」
付き合ってからわかったことだけど、先輩の行動はいつも急すぎることが多い。
そのおかげでいつも私は予測不能な先輩に、驚きを隠せないでいた。
「…迷惑だった?」
ショボンと少し落ち込む櫂先輩。
「迷惑なわけないじゃないですか!ささ、じゃあ入っちゃって下さい!」
「ありがと」
「彩ちゃん、先輩来たの〜?」
先輩を空いている席に案内していくと、紗奈ちゃんがこちらに寄ってきた。
あれから紗奈ちゃんに付き合ったことを伝えると、喜んで「おめでとう」と言ってくれた。
龍輝や柊先輩のようになったら嫌だと思って、紗奈ちゃんを心配したけど「もっといい人見つけて先輩を見返す!」だなんて言って、
今はクラスの女子が他校の男子を誘って合コンとかに積極的に参加している感じ。
参加した翌日には「⚪︎⚪︎くんと今度遊ぶ〜!」とか言ってるから、きっと前を向いて進んでいるんだと思った。
「あ、うん、来ちゃったんだって」
「だったらそのまま上がっちゃいなよぉ」
「えぇ!?今すごい大変なのに!」
ひと段落したかと思ったら、またして混んできた教室。
廊下の端っこまで行列出来てるよ…!?
「彩ちゃん、朝からいっぱい仕事してくれたじゃん。休憩大事だよっ!」
「け、けど…」
「大丈夫大丈夫。龍輝くんがぁ、代わるって言ってくれたからぁ♡」
龍輝をいたずらっ子みたいに笑って指指す紗奈ちゃん。
「あ“ぁ”!?俺言ってねーぞ!」
それに気づいたのか、怒り気味にこちらに寄ってきた龍輝。
「いいじゃん、坂井。文化祭1日しかないんだし、好きな子回らしなよ」
冷めた声で龍輝を見る紗奈ちゃん。
き、気のせいかな……?
今一瞬龍輝を“坂井”って言ったような…??
「あのなぁ、いくらなんでもそれは…」
「龍輝くんてぇ、けっこー体力あるよね!持久走で惚れ直しちゃった!♡」
「見直したの間違いだろ!」
な、仲良しだな…龍輝と紗奈ちゃん。
コントみたい。
放送部の部長さんの声を合図に文化祭開幕!
私たちのクラスは…
「8番デーブル、ストロベリーホイップパンケーキ入った!」
「はーい!」
絶賛出し物に大忙し!
「いやぁ、かなり大繁盛してるね」
「午前の部学年も総合1位これなら取れたりするかも!」
クラスの女子は、この繁盛ぶりに今日の後夜祭で発表される繁盛したクラスランキングについて話していた。
確かに、想定よりも倍以上のお客さんが来てくれてる。
ふふっ、嬉しいな。
「彩、午後から抜けるんだよね?」
友達やカップル、家族で来てるお客さんを微笑んで見ていた時、裏方の怜実に話しかけられた。
「うん、先輩と文化祭回るんだ〜♪」
「その後のこと教えなさいよ」
「うんっ!」
怜実は普段から言い方がちょっと厳しい子だけど、ただただ世話好きで心配性なだけなんだよね。
お母さんみたいで頼りになる親友。
この子と親友でよかったな、と微笑ましく思っていた時だった。
「おーい、彩」
覚えのあり過ぎる声が聞こえたかと思って、振り返ると、接客をしてる龍輝に声をかけられた。
「何ー?」
「富谷先輩来てるー」
「っへ!!?」
嘘、まだ午前の部終わってないよ!?
教室の前扉の方へ行くと、ニコニコ微笑んでいる富谷先輩がいた。
「先輩!!?」
「仕事終わらせて、来ちゃった」
「来ちゃったって…びっくりしてるんですけど!」
付き合ってからわかったことだけど、先輩の行動はいつも急すぎることが多い。
そのおかげでいつも私は予測不能な先輩に、驚きを隠せないでいた。
「…迷惑だった?」
ショボンと少し落ち込む櫂先輩。
「迷惑なわけないじゃないですか!ささ、じゃあ入っちゃって下さい!」
「ありがと」
「彩ちゃん、先輩来たの〜?」
先輩を空いている席に案内していくと、紗奈ちゃんがこちらに寄ってきた。
あれから紗奈ちゃんに付き合ったことを伝えると、喜んで「おめでとう」と言ってくれた。
龍輝や柊先輩のようになったら嫌だと思って、紗奈ちゃんを心配したけど「もっといい人見つけて先輩を見返す!」だなんて言って、
今はクラスの女子が他校の男子を誘って合コンとかに積極的に参加している感じ。
参加した翌日には「⚪︎⚪︎くんと今度遊ぶ〜!」とか言ってるから、きっと前を向いて進んでいるんだと思った。
「あ、うん、来ちゃったんだって」
「だったらそのまま上がっちゃいなよぉ」
「えぇ!?今すごい大変なのに!」
ひと段落したかと思ったら、またして混んできた教室。
廊下の端っこまで行列出来てるよ…!?
「彩ちゃん、朝からいっぱい仕事してくれたじゃん。休憩大事だよっ!」
「け、けど…」
「大丈夫大丈夫。龍輝くんがぁ、代わるって言ってくれたからぁ♡」
龍輝をいたずらっ子みたいに笑って指指す紗奈ちゃん。
「あ“ぁ”!?俺言ってねーぞ!」
それに気づいたのか、怒り気味にこちらに寄ってきた龍輝。
「いいじゃん、坂井。文化祭1日しかないんだし、好きな子回らしなよ」
冷めた声で龍輝を見る紗奈ちゃん。
き、気のせいかな……?
今一瞬龍輝を“坂井”って言ったような…??
「あのなぁ、いくらなんでもそれは…」
「龍輝くんてぇ、けっこー体力あるよね!持久走で惚れ直しちゃった!♡」
「見直したの間違いだろ!」
な、仲良しだな…龍輝と紗奈ちゃん。
コントみたい。